電気療法
電気治療の歴史は古く、2000年前にギリシア時代にエートスという医師がシビレエイの発する生物電気を用いて、痛風の治療を行ったと報告されています。
当時は電気という概念が解明されていませんでしたが、現在は電気を通電することでいかにして痛みが治療されるかというメカニズムも分かりました。
1965年カナダの医学者メルザックとウォールは、「ゲートコントロールセオリー」を発表し、電気療法のメカニズムは、
①血の巡りを改善することで痛みの原因物質を除去すること
②痛みを和らげる物質(内因性モルヒネ様物質)が痛みを抑えること
③ストレスを減らし自然治癒力を回復すること
であると報告しました。
通電することで痛みを和らげる電気療法は、TENS(Transcutaneous electricalnerve stimulation:経皮的電気神経刺激)と呼ばれ、現代では様々な形で医療機器として利用されています。
当院では低周波、干渉波、SSPという3種類の機械を用いて電気療法を行っています。
低周波
低周波電流は主に運動神経に作用し、筋肉を刺激・収縮させます。そのポンプ作用で血液・リンパの流れが良くなり、組織の代謝を活発にし、疲労物質をとり、コリや痛みを改善します。
干渉波
低周波(1-1000Hz)や中周波(1000-10000Hz)など異なる周波数を生体内で交差し、新たな干渉波を発生させ、深く広範囲の治療を行う機械です。低周波治療器よりも周波数が高いため、皮膚への刺激が少なく、より大きな電流を流すことができます。発生した刺激を利用し筋肉を収縮、拡張させてそのポンプ作用により筋肉をほぐし、血流を促進させて痛みを生じさせている物質の除去を図る機械です。
SSP療法
SSP(Silver Spike Point)と呼ばれる特殊な金属電極を用いて、電極を「ツボ」に置き、低周波の電気を通電する治療機械です。
中国の針麻酔をベースに、「刺さない針治療」という発想から開発された治療法です。ツボ刺激の効果は高く、安全な治療法として利用されています。
SSP療法は、鍼治療と異なり様々の利点があります。
- 痛いというイメージがなく、安心感を与えることができます。
- 皮膚に刺さないため細菌感染の心配がなく、衛生的です。
- 自由な体位で治療ができます。
- 取付が簡単で、至る所のツボの位置を治療可能です。