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肺がん検診

肺がんとは 

肺がんは全てのがんの中でも発生頻度が高く、また命の危険となることが多い恐ろしい病気です。一生のうちに肺がんと診断される割合は、男性ではおよそ10人に1人、女性ではおよそ21人に1人といわれています。また肺がんで亡くなる方は、すべてのがんの中でも最も多く、男性のがん死亡1位、女性のがん死亡2位といわれています。肺がんで亡くなる患者さんを一人でも減らすためには、より早く発見し治療を始めることが大切です。

出典:人口動態統計2018年

肺がんを発見する方法

 肺がんを発見する検査には、画像を用いた検査と体液を調べる検査があります。画像検査では胸部X線(いわゆるレントゲン写真)と胸部CTが推奨されています。体液を調べる検査として、血液検査と喀痰細胞診検査があり、特にタバコを吸う高齢の人(1日20本を30年以上、50歳以上)では喀痰細胞診が重要といわれています。

出典:肺癌診療ガイドライン2021年版

レントゲン写真かCTか?

 肺癌を発見する画像検査として、最初に行うべきはレントゲン写真といわれています。しかしながらレントゲン写真には二つの弱点があります。一つ目の弱点は、複雑な胸部の構造を2次元に投影された画像であることです。胸部には心臓、大動脈、肺動脈、肋骨、椎体、横隔膜など肺を遮るような多数の臓器があり、これらが肺に死角を作ります。このためレントゲン写真では発見不可能な場所がたくさんあります。二つ目の弱点は、小型のうすい肺がんはみつけられないことです。早期の肺がんは淡い陰影を呈するため、たとえ死角ではない場所にあっても、レントゲン写真では淡すぎて認識できないことがあります。検診のレントゲン写真では発見されなかった肺がんが、同時期にCTで偶然発見されることは、よくある話です。

 

CTの弱点

CTにはレントゲン写真のような死角がないため、発見できない場所はありませんが、死角以外の弱点があります。一つ目は被ばくする放射線の量が多いことです。レントゲン写真の被ばく量は0.1mSvであり、自然界で被曝する1.5mSvよりも少ないのですが、通常のCTでは6~8mSvを被ばくするといわれています。一般に100mSv以下の被ばくであれば健康被害(発がんや遺伝子異常)を生じないといわれていますが、健康な人を対象とする検査である以上、被ばく量が少ない方が望ましいです。

CTのもう一つの弱点は、全ての異常をみつけてしまう強みが災いになる場合もあることです。肺がんではない陰影が見つかった場合に、患者さんがしなくてもよい不安を抱いてしまう可能性があります。また肺がんではない病変に、不要な精密検査を行ってしまう危険性もあります。

出典:放射線医学総合研究所監修「放射線被ばく早見図」

当院のCT装置

 当院ではシーメンスヘルスケア社のSOMATOM goというCT装置を使用しています。16列の検出器を用いて画像を撮影する、高性能のマルチスライスCTであるだけでなく、錫(スズ)のフィルターを用い画像には影響しない不要なX線を効果的にカットすることで、被ばく量を大幅に減量します。通常の被ばく量は6~8mSvですが、錫フィルターを用いることで2mSvまで被ばく線量を抑制した低線量CT撮影が可能です。さらに線量を抑制した超低線量(0.2mSv相当)の撮影も可能であり、体格や目的に応じ、体への負担が少ない方法も提案可能です。

肺がんの治療方法

 肺がん治療は手術可能な早期の段階で発見し、手術により根治を目指すことが理想的ですが、発見時の病期(ステージ)によっては手術が望ましくない場合もあります。手術以外の治療法としては放射線治療、抗がん剤治療があります。患者さんの状態に応じた治療法の選択が重要です。

院長:高田宗尚は呼吸器外科医として多くの肺がん患者さんの治療に携わってきました。また肺がん検診にも長年従事しており、肺がんCT検診認定医の資格も有しています。CTで異常な影が見つかった場合でも、良性・悪性の可能性や、治療の必要性等を、専門家の見地からわかりやすく説明することが可能です。ご安心してCT検診を受けていただければ幸いです。

 

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